ノロウイルス感染対策

感染性胃腸炎を引き起こすノロウイルスは、感染伝播力が強いウイルスです。
ご家庭内でも感染を拡げないよう、正しく対応することが必要です。

  1. ノロウイルス感染症の基礎知識
  2. おう吐物の処理方法
  3. 感染をひろげないために

小松﨑 直美(こまつざき なおみ)

順天堂大学医学部附属 順天堂医院
医療安全推進部 感染対策室 主任
感染管理認定看護師
小松﨑 直美(こまつざき なおみ)

ノロウイルス感染症の基礎知識

ノロウイルスとは

毎年、秋から冬場にかけてノロウイルスを原因とするおう吐・下痢症が流行します。
ノロウイルスは、非常に感染力の強い小型の球形ウイルスです。ノロウイルスの感染力は非常に強く、わずかなウイルス量(10〜100個程度)で感染します。感染者のおう吐物やふん便中には、大量のウイルスが含まれています(おう吐物、ふん便1g中に100万〜1億個以上)。小さなお子様やお年寄り、その他体力の落ちている人が多く集まる施設内での集団感染には、十分に気をつけなければなりません。

提供:埼玉県衛生研究所

ノロウイルスとは

ノロウイルスの感染経路

ノロウイルスは以下のような感染経路があります。

  1. ①カキなどの二枚貝を生、あるいは十分に加熱調理しないで食べて感染する。

    ①カキなどの二枚貝を生、あるいは十分に加熱調理しないで食べて感染する。

  2. ②家庭内で感染者を看病することでヒトからヒトへ感染する。

    ②家庭内で感染者を看病することでヒトからヒトへ感染する。

  1. ③おう吐物やふん便などで汚れた環境表面(トイレや食器、衣類など)に触れ、手を介して口から体内に入り込んで感染する。

    ③おう吐物やふん便などで汚染された環境表面(トイレや食器、リネン類など)に触れ、手を介して口から体内に入り込んで感染する。

  2. ④感染者のおう吐物やふん便が飛び散り、しぶきを吸い込んで感染する。
    ⑤カーペットなどおう吐物の処理が不十分であり、乾燥し歩行などにより空中に舞い上がったウイルスを吸い込んで感染する。

    ④感染者のおう吐物やふん便が飛び散り、飛沫を吸い込んで感染する。⑤カーペットなどおう吐物の処理が不十分であり、乾燥し歩行などにより空中に舞い上がったウイルスを吸い込んで感染する。

ノロウイルス感染症の潜伏期間・おもな症状・特徴

感染の潜伏期間は12〜48時間で、おもな症状として『吐き気、おう吐、下痢、腹痛』などがあり、『発熱』は軽微です。また、ノロウイルス感染症の場合には、『おう吐』が突然強力に起きる場合があります。
これらの症状が1〜2日続いたあと、自然に消失します。
しかし、症状が治まったあとも1週間から10日、長い場合は1ヵ月間も便からウイルスの排出が続きます。また、ウイルスに感染していても下痢やおう吐などの症状が出ない人もいます。

ノロウイルス感染症

潜伏期間

12~48時間

おもな症状

吐き気、おう吐、下痢、腹痛、発熱は軽微

特長

おう吐が突然強烈に起こる

ノロウイルス感染症の予防対策

ノロウイルス感染症の予防対策

ノロウイルス感染症の予防対策としては、以下の方法が考えられます。

①手洗いを頻繁に行う(とくにトイレの後、おむつ交換の後、調理前や食事前など)。
爪は短く、指輪をはずし、石けんで30秒以上もみ洗いする。
②おう吐物などの感染源は、早期に正しく処理する。
③ウイルスで汚染された箇所は、ウイルスに効果のある次亜塩素酸ナトリウム(ミルトンなど)や熱で消毒する。
④食事はなるべく火を通す。
⑤感染者の症状が無くなっても24〜72時間は職場や学校に行かないようにする。

ノロウイルス感染は毎冬12〜1月がピークですが、1年を通して発生します。非常に感染力の高いウイルスなので、感染の拡大を防ぐことが大切です。

おう吐物の処理方法

ノロウイルス感染対策のひとつとして、おう吐物処理の一例を紹介しています。
動画を参考に、正しい知識で適切に対応しましょう。

あわてないために準備しておくもの

実際の作業に入る前に、以下のものを準備してください。

  • 使い捨てのマスク、ビニール手袋
  • エプロン
  • キッチンペーパーまたは新聞紙
  • ビニール袋
  • 次亜塩素酸ナトリウム溶液(ミルトンなど)とペットボトル(500mL)

あわてないために準備しておくもの

おう吐物の処理方法

おう吐物の処理方法


※おう吐物を処理する際の次亜塩素酸ナトリウム濃度は、0.1%。
トイレや食器、衣類などの消毒は次亜塩素酸ナトリウム濃度0.02%となります。

※カーペットのおう吐物処理の場合

カーペットのおう吐物処理の場合

カーペットがおう吐物や下痢便などで汚れてしまった場合は、水や洗剤などを用いて、キッチンペーパーや新聞紙などでおう吐物を可能な限り拭き取ったあと、スチームアイロンで熱消毒します。
もし、カーペットが取り外せる場合は、熱湯で洗浄し天日干しするとよいでしょう。

※次亜塩素酸ナトリウムは、漂白作用があるため、色柄ものの消毒には不向きです。

感染をひろげないために

ノロウイルスは感染力が強く、カーペット、ドアノブ、カーテン、リネン類、おもちゃなどからもウイルスが検出されることがあります。
感染者が発生した場合は、おう吐物や下痢便が付着・飛散したり、人の手が触れたりする場所やものを消毒する必要があります。

手をしっかり洗う

手をしっかり洗う

帰宅時、トイレ後、調理前、食事前には、指輪をはずし、石けんで30秒以上もみ洗いして、きちんと手指を衛生的に保ちましょう。

手洗いは、指先、爪のあいだ、手の甲、手首までしっかり洗い、タオルはつねに清潔なものを使ってください。
手洗い後にアルコール除菌スプレーを使うのもおすすめです。

頻繁に手で触れるものの消毒方法

ドアノブ、手すり、椅子、トイレなど人が直接手で頻繁に触れる場所は、0.02%に希釈した次亜塩素酸ナトリウム溶液(ミルトンの場合:500mLペットボトルに水490mL、ミルトン10mL)を浸した布またはキッチンペーパーで拭き、その10分後に水拭きします。
消毒に使用した布は消毒液には戻さないよう気をつけてください。

※次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性がありますので、金属部分の消毒後は拭き取りを十分にするように注意してください

  • 頻繁に手で触れるものの消毒方法
  • 頻繁に手で触れるものの消毒方法
  • 頻繁に手で触れるものの消毒方法
  • 頻繁に手で触れるものの消毒方法

ベビーグッズの消毒方法

ベビーグッズは、洗剤でよく洗ったあと、0.02%次亜塩素酸ナトリウム溶液(ミルトン4L専用容器を使用する場合:水3920mL、ミルトン80mL)にひたします。
パパ、ママのマグカップなどもまとめて消毒しましょう。
10分間ひたしたあと取り出して、水でよく洗い乾燥させます。

ベビーグッズの消毒方法

※金属腐食性・漂白作用があります。